2014年11月25日火曜日

重厚




大阪フィルでの客演、二回目を無事に勤めて参りました。


オーボエと少女合唱の間の心霊写真の如くに映っています・・


前記、多くの勉強をさせて頂きました。何より卓越した在阪トップ奏者の方々と色々と共演、
お話が出来た事は、リコーダーでいかにぬるま湯に浸かっていたかと痛切に後悔する事にも。
A級楽器とそうでない楽器の壁は確実にありますね。プロ中のプロ。
かつ非常に真剣に音楽に向き合っておられました。フルートの方々の楽器の選択もルイ・ロット
など。

とにかく若い間にえげつない修行をするべきだったと共演した弟子には伝えた次第です。
昔は勉強に行ったもんですが、時代が変わったのかお弟子が聴きに来ないのは残念なものの
(現代は他楽器もそうらしいです)大学の授業の優秀な学生が多く来場してくれたのは新たな喜びでした。あんな勉強になる演奏会はもう無いでしょうから。

さて、

94歳の巨匠の一昨日のバッハはさながらベートーヴェンの後期的解釈。
通常、拍の重さや軽さなり、バッハ時代の奏法なりは無視。彼の音楽です。
ドイツ人なりキリスト教に接している人生観の投影は計り知れませんが、

今日のそれはもうブルックナーの後期交響曲かと思いました。
もちろん主観です。


第2回公演、リハ前



しかし、古楽ゴリゴリの私でもバッハの音楽はそこら辺のファクターは超えてきますから
芸術としては十分凄いですね。



非常に僭越ながらネガな事を一つだけ言わせて下さい。


巨匠の脳内で完成している音楽よりもフィジカルに指揮のアインザッツが遅くなり、
テンポが頻繁に変わるため、大フィルメンバーは四苦八苦。奏者のそれはプロ中のプロ対応
でした。凄い実力に脱帽。よく弦楽と合唱の間でそのメンバーでテンポを統率出来るもんやなと。

で、
私の楽曲は一昨日より遅く、かつ途中で指揮のテンポが変化!!!私も対応出来たつもりです。

何とか乗り切ったものの、どうでしょう、「定年」っていう概念を国連でお作り戴けないかと。
メンバーはヘトヘトだったと思います・・・。65くらいでやめて上げないと団員が気の毒。

中堅、若手の卓越した技術を翻弄する結果になることがわかっていないかと。
もう誰も忠告出来ないくらいになれば、すなわちもう良いのではないでしょうか。



それでも、枝葉末節にこだわる古楽畑で考察しなければ、十二分に物凄い演奏であり体験でした。
最高齢マエストロなりの理論も見事でしたが、演奏側の苦労もそれなり、という結論。
指揮以外は凄まじい緊張感、というのはその現れでした。

しかし、何より、月下氷人の東京の先生に感謝の意です。
大阪フィル、フェスで吹けた事はいかがだったでしょう。