2014年10月16日木曜日

コンクール「本選」




今日はコンクール本選。昨日と同じ8時15分にお迎え、9時前に会場に到着。

昨日、予選突破ならずの方々がいないので、少しは早く終了するだろう~などは甘かった。
まぁ、仕事なら仕方ない。

楽曲が長くなり、昼休みも長くなって、表彰式もあるので大変だった。




さて、本選の緊張感は気の毒なくらい。
まだまだ若いので、さぞ緊張した事と、心苦しい。
自分の生徒が出演する場合も、母親の気持ちだろうが、こちらは気楽なもので、
デンマークのボレットさんとジョークばかり飛ばしているのだから不謹慎なものである。

結局、本選にはソロが9人、アンサンブルには8組が残ったので、これをジャッジしていく。


デンマーク、韓国の審査の先生と英語通訳の方


今日は順位を決定するわけで、かなり神経を使う。昨日、欧州の方式とこちらの方式が
異なったために少々混乱したので、会議をして確認をする。

その際に前日に注文を聞いておいてくれたスターバックスの飲料とサンドイッチが配られる辺は、
非常におもてなしが出来ていて唸った。(なら昨日は?www)


午前のソロ、9人の出演者に於いては、一人がずば抜けていて残りの順位が難しい状況。
アンサンブルは見事だが、卓越した組がいない、選曲が悪いなどで悩まされた。

以下、箇条書きにします。






ヴィヴァルディの協奏曲でソプラニーノの415が多いのは凄いが、ミスの露呈がわかりやすい。

うまい人は動かない。

早いフレーズでの音量を、小さくしてごまかしてしまう傾向。

フルート奏法吹きは無く、リコーダーの本来のトーンを全員が奏でていたのは良い。

とても「良く」教えられている感がある。要は先生が「正しく」教えているということか。
それだけに、真面目で正しい演奏をするが、その先がもう少し欲しい気がする。

個々が非常に努力をしている。もの凄い練習量だと思う。

音の処理がぞんざいで荒いことや、垂れ下がる事がある。

指の動きは凄まじいまでに見事だが、必ずしもそれが音になっていない。

小指がピ~ンと張っている人が多いし、特にソプラノでの指が上がっている傾向。

通奏低音は、ピアノ譜のピアノ弾きで、本格的通奏低音奏者を連れ立った音楽作りとの差が出た。

チェンバロよりも、ピアノの伴奏の方が、リコーダーのサウンドが聞こえてメリットがあるとは。



想像を超えた作品に果敢に挑む姿は素晴らしい。

上手なのだが、時折、品の無い音が出る事がある。

ソプラニーノでヴィヴァルディが続くと、気が変になる。

主催が学校の先生などでは無く、演奏系関係者で、銀行がスポンサーについており、
あくまでも演奏出来るプロが、プロを目指す人をジャッジするコンクールだった。


さて、そんな感じであったが、自宅を出て、実に一週間に亘る仕事が終わった。

疲労があるが、徒労感が無く、多くを学べ、多くの交流や未来をみたのはポジティブである。



交流会の折に政治の問題も色々と投げかけてみたが、あくまでも市民は関係無いようでした。
逆に若者は日本のアニメで日本語を覚えるので近寄って来て、日本語を喋りたいと言ったり、
私が通るだけで深くお辞儀をしてくれたりと、とにかく印象が良い印象。

要は己の事ばかりを考える人たちが見栄を張り合っているという、我々の関係のない種族の
おっさん達の世界で、ややこしくいことをややこしくしているだけ、が明白なようだ。

しかし、とにかく、韓国も先般の台湾も凄まじいテクニックをもった若者だらけで、実に恐ろしい。



バロック音楽の演奏で対等に勝負は難しいと感じた。楽器の保持率も凄い。ルネサンス、415のソプラニーノ、時にはヴォイス・フルートまでを中学生が持っている。

日本人には頭脳とアイデアがあるので、誰も到達していない事を目指して努力するしかないか。



最後に

来年、ソウルで30歳前後の女性、ジン・ユンさんとのコンサートが決定した。楽しそうだ。
近年の近隣諸国での演奏会が日本を超えそうなのはなぜかと、考察しないようにする。



あす、金浦空港から関西空港に帰国し、ルーティンワークに戻る。
わたしももっと練習しようと思いました。