2014年11月29日土曜日

第8回アンリュウリコーダーフェスティバル







現在、大阪でリコーダーに特化した博覧会が行われおり、それはどちらかと言うと愛好家の集うそれよりも、少々専門家への傾向のもので非常に刺激的。大阪の商店街に外国人が集っています。

海外メーカーも多く来日し、基本的に英語が必要、また、デモンストレーションとは言うものの、
プレゼンテーションや講座はさながら外国の専門大学の古楽専門学生向けの内容。

斎藤さん(オランダ在住)のイタリアのリコーダーレポートなどは貴重なおハナシの連続。
イタリアはナポリの楽器がイギリスの物に酷似している事が楽曲と関連付けられている、や、
ダブルホールとシングルホールの楽器を製作した意味の回答など、非常に明瞭になる事象が
多くありました。




留学時にバロックスタディⅠ、Ⅱなどの長時間に及ぶ授業を思い出したものです。
思えば、本来はこういう事を学ぶ環境が整わなかった関西地方は残念に思います。

で、かくなる上は(プロ限定ですが)今後はこういう機会を自ら設け、小規模ながら
包括的に全体のスキルアップを図ろうと画策中です。
リコーダーに携わる者が、ようやくバロックの勉強が出来るようになればいいですね。


2014年11月25日火曜日

重厚




大阪フィルでの客演、二回目を無事に勤めて参りました。


オーボエと少女合唱の間の心霊写真の如くに映っています・・


前記、多くの勉強をさせて頂きました。何より卓越した在阪トップ奏者の方々と色々と共演、
お話が出来た事は、リコーダーでいかにぬるま湯に浸かっていたかと痛切に後悔する事にも。
A級楽器とそうでない楽器の壁は確実にありますね。プロ中のプロ。
かつ非常に真剣に音楽に向き合っておられました。フルートの方々の楽器の選択もルイ・ロット
など。

とにかく若い間にえげつない修行をするべきだったと共演した弟子には伝えた次第です。
昔は勉強に行ったもんですが、時代が変わったのかお弟子が聴きに来ないのは残念なものの
(現代は他楽器もそうらしいです)大学の授業の優秀な学生が多く来場してくれたのは新たな喜びでした。あんな勉強になる演奏会はもう無いでしょうから。

さて、

94歳の巨匠の一昨日のバッハはさながらベートーヴェンの後期的解釈。
通常、拍の重さや軽さなり、バッハ時代の奏法なりは無視。彼の音楽です。
ドイツ人なりキリスト教に接している人生観の投影は計り知れませんが、

今日のそれはもうブルックナーの後期交響曲かと思いました。
もちろん主観です。


第2回公演、リハ前



しかし、古楽ゴリゴリの私でもバッハの音楽はそこら辺のファクターは超えてきますから
芸術としては十分凄いですね。



非常に僭越ながらネガな事を一つだけ言わせて下さい。


巨匠の脳内で完成している音楽よりもフィジカルに指揮のアインザッツが遅くなり、
テンポが頻繁に変わるため、大フィルメンバーは四苦八苦。奏者のそれはプロ中のプロ対応
でした。凄い実力に脱帽。よく弦楽と合唱の間でそのメンバーでテンポを統率出来るもんやなと。

で、
私の楽曲は一昨日より遅く、かつ途中で指揮のテンポが変化!!!私も対応出来たつもりです。

何とか乗り切ったものの、どうでしょう、「定年」っていう概念を国連でお作り戴けないかと。
メンバーはヘトヘトだったと思います・・・。65くらいでやめて上げないと団員が気の毒。

中堅、若手の卓越した技術を翻弄する結果になることがわかっていないかと。
もう誰も忠告出来ないくらいになれば、すなわちもう良いのではないでしょうか。



それでも、枝葉末節にこだわる古楽畑で考察しなければ、十二分に物凄い演奏であり体験でした。
最高齢マエストロなりの理論も見事でしたが、演奏側の苦労もそれなり、という結論。
指揮以外は凄まじい緊張感、というのはその現れでした。

しかし、何より、月下氷人の東京の先生に感謝の意です。
大阪フィル、フェスで吹けた事はいかがだったでしょう。


2014年11月22日土曜日

一回目 マタイ公演




大阪トップオケ、大阪フィルハーモニー交響楽団、尚且つ名ホール、大阪フェスティバルホール
(2700人)に於ける、定期公演での第一回公演出演を終えて帰宅しました。



どこにいるでしょうww 総勢???名はいたかと



ついに「フェスティバルホール」でリコーダーを吹いたなぁ~という小さな感激。

さすが大フィル、という、周辺の木管楽器奏者の方々の凄まじく高いポテンシャル。
かつその方々が非常に親切であったという驚き。(怖いのかと思っていましたので・・・。


色々と気を遣って下さる方や、若手数名が挨拶に来てくれたり、フォローしてくれたりと素直に
嬉しく、かつそれだけ年齢も重ねてしまったのか、とも思いました。。







バッハの芸術音楽は古楽やモダンやを超えて、凄まじい集中力と個々のポテンシャルで
成立している、と確信しました。

こちら側は、大モダンオーケストラで使用するため a=445Hz  平均律のギンギンに鳴る
アルトを改良して用意。当然、私の演奏を知る竹山さんの銘器を数年鳴らしたものを、です。


恐らく舞台に250人、会場に2000人程はいましたから、完全なアウェイな感じのリコーダーを
そこで響かせる(ヴィヴラート無し)には、命懸けでした。


ぬるま湯育ちゆえ、まだまだ経験が少なく、もっと厳しいプロの環境で自分を磨かなくては、
およそ他の管楽器の方々のレベルには到達出来ないでしょう。


何より素敵な体験になりました。

もう一公演。どうなるでしょうか。



マタイ リハ




ウォーリーを探せよろしく、わたしを探して下さい。

大阪フィルTwitter掲載写真より
22と24の二公演なのですが、ガンバは平尾雅子さんなど、通奏低音群は東京の方々。
リコーダーは実は東京の巨匠からのご推薦で、地元民の不肖わたくしに。

地元だけにさすがに知り合いもおり、合唱指揮は大学の副学長などで全くのアウェイでは
無いものの、はっきりとモダンオーケストラと大合唱団の中では、リコーダーはひよこの鳴き声
の如し、です。

当時は当然古楽で、かつライプツィッヒではヴァイオリン奏者がリコーダーの楽曲を持ち替えて
吹いたそうで、なかなか我リコーダーの現代に於けるエグジスタンスにカオスを感じたのは
事実です。

個々の奏者の腕前には脱帽でした。
本番は天下の大阪フェスティバルホール。
どのように響くのかが楽しみですが、何より、聴こえる事を祈るばかりです。